昨年の忘年会のひとつ、焼肉 旬やさい ファンボギに岡田シェフとかたぶつ座長を招いての、肉塊ならぬ肉会。
この日は予めMBL所長に予算と方向性を伝え、部位や熟成度合いを様々取り揃えてもらっての展開。
昨夏に座長を震撼させた「マニアック・ビーフ・ラボ」、コレが非出張の正式バージョンDeath。
序盤からワインで、しっとりとトバします。

ファレルニア(チリ)のサンジョヴェーゼ種。
弾ける果実感と同居するこなれた感が良い具合。

きのこを使った自家製ナムル。
緻密に計算された漬かり具合や水気の抜け具合に、思わず舌を巻く。
軽く胃袋を活性化させて、いよいよ肉時。

L to Rでアゴ肉、タンもと、エイジングさせたカッパ。

カッパってのは、牛の前腹の皮と脂身の間にある赤いスジ肉の事。
熟成によるアミノ酸の増大でグンと跳ね上がった濃厚な肉の旨味に、鼻腔を抜けるチーズのような熟成香。
飲み込むが口惜しいほど、噛んだら噛んだ分だけ旨みと香りが交互に折り重なっていく。
尚、アゴ肉とタンもとも「噛むのが楽しい」なセレクトで、どちらも申し分なし。
冒頭からエラいモン放り込んできたな~!
リブキャップ

リブロースの中にある希少部位で、これもチーズを思わせる熟成香がばっちりキマッてる。
が、同じチーズ的な香りでも、前者は白カビ的なニュアンスで、こっちはロックフォールみたく青カビチーズっぽいトップノートが印象的。
表面がキリッと締まる程度まで焼くと、ナッツ類に通じる香ばしい香りが立ち上り、コレだけでノックアウト。
噛み締めれば襲ってくる、猛烈な旨みの凝縮感というか「旨み詰まってます」感の嵐。
喉元を通った後も口中や鼻腔に残るベースノートの美しい余韻に、全員が終始夢見心地。
エイジングしたサーロイン(左)、鹿のレバー(右)

何も知らずに手で触れば、誰もがサラミかジャーキーかと答えるであろう程に、カッピカピにドライエイジングしたのち、ウェットエイジングしたサーロイン。
食感は確かにそれらに近いが、濃厚な肉味、サラサラと流れるように舌の上を流れる肉汁の軽やかさに驚嘆。
ギュッと噛んでブワァッと弾けるように広がる旨みの洪水に、いつまでも溺れていたいわ~。
鹿レバーはと言えば、牛のそれとは違い味わいは軽いものの、歯の先端が表皮を突き破る際の心地良さと、以後あっという間に口中に拡散する清冽な旨みとコク、コレはコレでちゃんとキャラ立ちしているから面白い。
牛レバーの代替品なんかじゃなく、鹿レバーにしかない魅力が満載。
寧ろ、牛レバーが苦手って人こそコレにハマるんじゃないだろうか。
本日の焼きやさい盛り

以前のエントリにも書いたが、ほぼ毎回オーダーするココん家の野菜盛り。
それが今回はさらにスペシャル版、鎌倉野菜の豪華盛り!
絶品の大和芋に、初めて食べたシャドークイーン…どれも悶絶級。
肉が美味いんでそんなコトするワケないが、この盛り目当てでも店に足を運びたくなる程。

まだまだ食うで~。
後編へ続く。

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