前編に続いて、いよいよエンジンがかかってきた後編。
クズマーノ(シチリア) ネロ・ダーヴォラ種 2010

カドのない丸みを帯びた味の輪郭も、強い果実味も、肉料理にうってつけ。
猪のレバー(右)、猪のチレ(脾臓・左)

前エントリの鹿レバが弾けるようなフレッシュな旨みだったのに対して、猪レバは上モノの牛レバを遥かに超える深いコクと、絡みつくようなクリーミーな舌ざわりで充足感を与えてくれる。
特に、獣の臓物とは思えないほどの濃厚で奥行きのある味わいは、どこか仙鳳趾の牡蠣に通ずるものが。
ややクセがあるも、フワッとした食感と、レバーほどじゃないものの適度な旨みとコクがあるチレも秀逸。
こっからは連続で鴨アイテムが登場。熟成肉NightからジビエNightになってきたな…。
鴨刺し

超しっとりのシルキーな胸肉と、密に寄り添う筋肉のむっちりとした質感が咀嚼を煽る腕肉。
刺身でもここまで濃密な旨みが出るんだね。
こっからは焼きメヌー。
鴨の砂肝

実は、鶏の砂肝ってあんまり好みじゃないんだが、そんなオレでも手放しに美味いと思ったのがコレ。
小ぶりの片は、ひとつひとつ繊維に沿って切られており、噛んでそれが分かるほどしなやかでやさしい口当たり。
僅かにコリッと主張する食感がクセになる、何片でも食べられそうな一品。
鴨皮

思わず鴨川と同じ読みをしてしまいそうだが、あくまで鴨さんの皮だ。
量的にも程好く、サラリと喉元を流れていく皮目の脂に、薄付きの身のフレッシュさが伺える弾力に感涙。
この品々の中では比較的パンチのある味わいだが、それでも一切の嫌みがないのも良い。
鴨の翼の付け根(手前)、飛騨牛シャトーブリアン(奥)

シャトーブリアンが美味いのは言わずもがな、驚くべきは鴨ウィングの秘めたるポテンシャルの高さ。
口当たり、心地良い弾力、旨みの密度のどれもが充実、仕舞いにゃ火入れ後の香りもソソるときたもんだ。
コレだけで食べても十二分に美味いのだが。

前エントリ出の鎌倉野菜の中のネギと一緒に頬張れば、正真正銘の鴨葱状態。
しかも、コレが底抜けに美味い組み合わせ。
お上品にまとまらず、猛る旨みと抜けの良い香りで、ワイルドサイドのど真ん中を駆け抜けていく。
こりゃ一緒に食べないと勿体ないわな~。
そして厨房から出てきた、食さなかった部位さんたち。

改めて、命を頂いているのだなと、それぞれの食材たちに深く感謝。
さくらポーク バラ肉

ウェットとドライを使い分け、巧みにエイジングしたバラ肉を、厚めの切り出しで。
以前食べた時も同様に感じたが、やっぱりコイツは火入れ後に表面や内部に満ち満ちる香気がたまんない。
終盤にしてワインからビールに切り替えたが、コイツとの組み合わせを考えたら大正解。
赤烏龍茶のソルベ

ここんとこ、行く度に毎度食べてるお気に入り。
ソルベになっても劣化を見せない薫り高さを保つあたりは、さすがの一言。
テクニック面も含めて数々のマニアックな部位を出してもらったが、味は決してマニアックなんかじゃなく、寧ろ目からウロコの誰にでも等しく感じられる美味しさがほとんど。
とは言え、インジェクションとPHたっぷりのタレでも美味しいと本気で思ってる人には無縁なのかも(笑)。
で、最終的にはノブちゃんも加わって、深夜2時過ぎまでのgdgdトーク。

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